鳥山明が最も愛したセル第二形態の真実!編集者酷評と自爆の裏側
1990年代の『週刊少年ジャンプ』黄金期を牽引し、全世界で世代を超えて愛され続ける不朽の名作『ドラゴンボールZ』。その中でも屈指のサスペンスと絶望感で読者を震撼させたのが「人造人間・セル編」です。主人公・孫悟空をはじめとするZ戦士たちを極限まで追い詰めたバイオテクノロジーの怪物・セルは、劇中で3つの姿へと劇的な変貌を遂げました。
その変遷において、昆虫のような不気味さを持つ第一形態、端正な悪のカリスマへと昇華した完全体に挟まれ、ひときわ異彩を放つのが「セル第二形態」です。驚くべきことに、この巨漢でどこかユーモラスな容貌を持つ第二形態こそ、生前の鳥山明先生が「実は一番気に入っていた」と公言していたキャラクターでした。稀代のヒットメーカーが愛した造形美はなぜ、当時の担当編集者から容赦ない酷評を受け、わずかな活躍期間で姿を消すことになったのでしょうか。ベジータとの激闘、18号吸収の戦慄、そして地球を巻き込む自爆劇の真相まで、関係者の証言と最新データを交えて徹底検証します。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 要点1:鳥山明先生が「実は一番好き」と自著等で明言した、タフさと愛嬌を併せ持つセル第二形態のデザイン美学
- 要点2:2代目担当編集・近藤裕氏による「馬鹿面」発言によるスピード退場劇と、ベジータを言葉巧みに誘導した心理戦の真相
- 要点3:完全体からの吐き出しによる逆戻りと自爆の悲壮感、そして最新一番くじフィギュア高騰に見る2026年現在の再評価熱
【秘話検証】なぜ鳥山明はセル第二形態を最も愛したのか?担当編集の「馬鹿面」酷評事件
漫画史に残る名悪役・セルのデザイン変遷を辿ると、そこには作者である鳥山明先生と歴代担当編集者による、凄まじいクリエイティブの応酬が存在していました。公式ファンブック『ドラゴンボール大全集』や『30th Anniversary ドラゴンボール超史集』に遺された制作秘話によると、セル編の敵キャラクターは編集サイドからの厳しいダメ出しの連続によって誕生しています。
当初登場した人造人間19号・20号に対し、初代担当である鳥嶋和彦氏から「じじいとデブじゃないか」と苦言を呈され、急遽投入した17号・18号も「ただのガキ」と一蹴された鳥山先生。そこで満を持して生み出したのが、未知の生命体であるセルでした。しかし、おどろおどろしい第一形態を経て、人造人間17号を吸収して進化したセル第二形態に対し、当時現場で伴走していた2代目担当編集・近藤裕氏は全く容赦のない言葉を浴びせます。
「こいつ、馬鹿面(バカヅラ)じゃないですか。早く完全体にしてくださいよ」
この強烈なダメ出しこそが、セル第二形態の運命を決定づけました。鳥山先生自身は後年のインタビューで「ボクとしては、ちょっとマヌケな感じのするタフそうな第二形態が一番お気に入りだった」と述懐しています。『Dr.スランプ』時代から脈々と流れる「強面だがどこか愛嬌と人間味がある怪獣・怪人」という鳥山デザインの神髄が詰め込まれていたのが第二形態でした。しかし、少年誌のトップランナーとして読者を惹きつける「スタイリッシュな強敵」を求めた近藤氏の慧眼により、鳥山先生の愛着とは裏腹に、物語は急速に完全体誕生へと舵を切ることになったのです。

【戦闘力の真相】16号圧倒から超ベジータ戦の惨敗まで|絶望と命乞いの心理戦
作中におけるセル第二形態の立ち位置は、まさに天国から地獄を味わった激動のグラデーションでした。人造人間17号を不意打ちで吸収した瞬間、セルの体躯は倍近くに巨大化し、分厚い唇と頑強な肩幅を持つレスラーのようなフォルムへと変貌します。
第一形態と互角のパワーを誇り、セルの尻尾を引きちぎるほどの猛威を振るった人造人間16号の渾身のパンチを、セル第二形態は顔面で受けても微動だにしませんでした。さらに新気功砲を命懸けで連発する天津飯の足止めをものともせず、圧倒的な暴力性で戦場を蹂躙します。当時の公式設定や戦闘力の力関係を分析すると、第二形態の戦闘力は第一形態を遥かに凌駕し、超サイヤ人の初期限界を完全に超越していました。
しかし、精神と時の部屋で修行を終えた「超ベジータ」が戦場に降り立った瞬間、その力関係は残酷なまでに反転します。圧倒的なパワーの前にサンドバッグ状態となった第二形態は、地面に這いつくばりながら情けなく叫びます。
「ちくしょう…! 完全体に…完全体になりさえすれば…! 貴様などに負けはせんのだ…!」
この惨めな命乞いこそが、セル第二形態のドラマを最高潮に押し上げました。力で敵わないと悟るや否や、ベジータの病的なまでのプライドと戦闘狂の気質を見抜き、「オレの完全体を試してみたくはないか?」と言葉巧みに挑発。サイヤ人の奢りを突いて逆転の活路を開いたこの心理戦は、単なる脳筋キャラクターではないセルの知略と狡猾さを際立たせる名場面として、ファンの間で語り継がれています。
【自爆の経緯】18号吸収の恐怖と完全体喪失が生んだ「最後の悪あがき」
第二形態を象徴するもう一つの劇的なファクターが、目的達成の瞬間と、その後の哀れな末路です。ベジータの協力を取り付けることに成功したセルは、制止を試みるトランクスやクリリンの目を太陽拳の閃光で眩まし、悲痛な叫びをあげる人造人間18号をその巨大な尾から丸呑みに吸収しました。
念願の完全体となり、圧倒的なカリスマで世界を恐怖に陥れたセルでしたが、覚醒した超サイヤ人2・孫悟飯の猛打によって腹部に強烈な一撃を受け、あろうことか胎内の18号を吐き出してしまいます。これによりセルは、読者も予想だにしなかった「第二形態への逆戻り」という屈辱的な退化を味わうことになります。
完全体の力と美貌を奪われ、再び「馬鹿面」と揶揄された巨漢に戻ったセルを支配したのは、狂気じみた絶望でした。悟飯に全く歯が立たない現実を突きつけられた彼は、肉体を風船のように膨張させ、地球ごとすべてを吹き飛ばす時限爆弾へと自らを変化させます。「あと1分で爆発する! オレの勝ちだ!」と哄笑する姿は、誇り高き武道家ではなく、負けを認められない怪物の剥き出しの執念でした。この危機を救うために悟空が放った瞬間移動と命を賭した自己犠牲は、セル編最大の涙腺崩壊ポイントとして歴史に刻まれています。

【徹底比較】セル第一形態・第二形態・完全体の決定的な違いと推移データ
セルの各形態が持つ視覚的特徴、作中でのパワーバランス、制作陣の評価を整理すると、第二形態がいかに物語の転換点として特異な役割を担っていたかが浮き彫りになります。
| 形態名 | デザイン・特徴 | 戦闘力・パワーバランス | 鳥山明&編集者の評価 |
|---|---|---|---|
| セル第一形態 | 爬虫類・昆虫のような不気味さ、鋭利な嘴、針のような尻尾 | 人間吸収前はピッコロ以下、吸収後は16号と互角(推定数億規模) | 初代担当・鳥嶋氏「化け物じゃないか、早く変身させろ」と不評 |
| セル第二形態 | 巨大な体躯、レスラー体型、分厚い唇、ややコミカルな顔貌 | 16号を赤子扱いするが、精神と時の部屋を経た超ベジータに手も足も出ず | 鳥山先生一番のお気に入りだが、担当・近藤氏が「馬鹿面」と酷評 |
| セル完全体 | 人間的で端正な美形、引き締まった体躯、スタイリッシュな羽と角 | ベジータや悟空を圧倒。悟飯超サイヤ人2に圧倒され、自爆を経てパーフェクト化 | 編集部・読者ともに大絶賛。鳥山先生は「顔の斑点を描くのが死ぬほど面倒」と吐露 |
この比較データからも明らかなように、第二形態は「力関係の劇的なインフレ」と「キャラクターの人間的弱さ」を同時に表現する装置として設計されていました。第一形態の冷酷なプレデターから、第二形態のプライド肥大とみっともない懇願、そして完全体の完成された尊大さへ。声優・若本規夫氏による怪演のグラデーションも相まって、キャラクターとしての深みは第二形態の存在によって飛躍的に跳ね上がったと言えます。
【実態検証】一番くじ高騰とドッカンバトル性能に見る2026年現在の評価
連載終了から長い年月を経た現在、セル第二形態に対するファンの熱量と市場評価はかつてない高まりを見せています。往年の「噛ませ犬」「不気味な過渡期」という評価を覆した最大の契機は、バンダイスピリッツが展開する『一番くじ』を中心としたハイクオリティフィギュアの台頭です。
特に『一番くじ ドラゴンボール VSオムニバス』シリーズ等で立体化された「MASTERLISE セル第二形態」は、店頭登場直後からホビー市場を大きく揺るがしました。完全体に比べてこれまで極端に立体化の機会が少なかったことに加え、全高約27cmに及ぶ圧倒的な肉体のボリューム感、鳥山タッチ特有の愛嬌ある表情の完全再現がコレクターの心を直撃。2024年から2026年に至る二次流通市場では、定価を大幅に超える2万円〜3万円台の高額プレミア価格で取引されるケースが常態化しています。
また、スマートフォン向けゲーム『ドラゴンボールZ ドッカンバトル』においても、第二形態の存在感は唯一無二です。全体攻撃を持つ必殺技演出や、高確率気絶・ステータスデバフを付与するトリッキーなサポート性能が評価され、「天下一武道会」や「極限バトルロード」などの高難易度コンテンツで長年重宝されています。さらにネット上では、pixiv等のイラスト投稿サイトにおいて18号吸収シーンに端を発する「丸呑み・捕食」カルチャーの象徴的アイコンとして独自のファンコミュニティを形成しており、平成カルチャーの文脈でも根強いミーム人気を誇っています。

一般に知られていない盲点とネットの誤解|「第二形態は不人気な失敗作」なのか?
ネット上の掲示板やSNSでは時折、「第二形態は担当編集者に嫌われた失敗作であり、読者人気も皆無だった」という言説が散見されます。しかし、当時の客観的な掲載順位や単行本売上動向、関係者の回顧録を丹念に検証すると、この解釈が重大な誤解であることが分かります。
第二形態が活躍したコミックス32巻〜33巻収録のエピソードは、ベジータの傲慢な変身、トランクスの葛藤、天津飯の命を削る新気功砲、そしてクリリンの苦渋の決断(緊急停止コントローラーの破壊)が複雑に交錯し、セル編全体でも最も読者のアンケート支持が高かった濃密なパートでした。
近藤裕氏が求めたのは「第二形態の否定」ではなく、物語のテンポ感を落とさず、ジャンプ読者が熱狂する最強のクライマックスへ最短距離で到達することでした。もし鳥山先生の意向のまま第二形態が長く居座っていれば、セル編特有の息もつかせぬジェットコースターのような緊張感は損なわれていた可能性があります。すなわち、「鳥山先生の作家性と編集者の商業的リアリズムの衝突」が生んだ奇跡のショートリリーフこそが、第二形態の真の姿なのです。
【プロの結論】おすすめできる人・慎重になるべき人の判断基準
現代において、改めてセル編やセル第二形態のコンテンツ・立体物に触れる際、どのようなファン層に真の価値が届くのか。筆者は以下の基準を提示します。
▼セル第二形態の魅力に深く共鳴できる人:
- 鳥山明先生の真骨頂である「愛嬌ある怪物造形」やメカニック・モンスターデザインを愛好する美術的視点を持つファン
- 完全無欠の強者よりも、プライドの高さと情けない命乞いのギャップに人間臭いドラマを感じるストーリー重視の読者
- 現在のフィギュア市場において、圧倒的な質量と異色の存在感を持つマスターピースをコレクションに加えたいホビー愛好家
▼完全体や他形態を優先したほうが良い人:
- ひたすら冷酷でスタイリッシュ、スマートな絶対悪のカリスマ性をヴィランに求めているライト層
- 作中での活躍期間の長さや、正々堂々とした武闘会スタイルの王道バトルを最重視したい読者
【セル第二形態】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:鳥山明先生はなぜセル第二形態をそれほど気に入っていたのですか?
A1:鳥山先生はもともと『Dr.スランプ』に代表されるような、どこかマヌケで憎めない怪獣やコミカルなキャラクターのデザインを好む傾向がありました。スマートで美形な完全体よりも、少しトボけた顔立ちでタフそうなプロレスラー体型の第二形態に、自身の作家性としての愛着を強く感じていたと証言しています。
Q2:セル第二形態の戦闘力はどれくらい?16号やベジータとの差は?
A2:第一形態と互角だった人造人間16号の攻撃を全く受け付けない圧倒的なパワーを誇りました。しかし、精神と時の部屋で修行して「超ベジータ」へと覚醒したベジータに対しては有効打を一切与えられず、子供扱いされるほどの絶対的な実力差が存在していました。
Q3:セルが地球もろとも自爆する際、なぜわざわざ第二形態に戻っていたのですか?
A3:超サイヤ人2に覚醒した孫悟飯の強烈なボディブローを受け、体内に取り込んでいた人造人間18号を吐き出してしまったためです。完全体を維持する条件を失って第二形態へ強制退化したことで、力での勝利を完全に諦め、絶望の末に自爆という自暴自棄な手段を選びました。
Q4:セル第二形態の一番くじフィギュアがこれほど高騰している理由は?
A4:完全体に比べて圧倒的に立体化の機会が少なかった歴史的背景に加え、バンダイスピリッツのMASTERLISEシリーズによる造形美と圧倒的な重量感がファンの期待を遥かに上回ったためです。流通量の少なさと国内外のコレクター需要の集中が重なり、現在もプレ値が継続しています。
まとめ:不遇の怪物「セル第二形態」が少年漫画史に刻んだ唯一無二の爪痕
鳥山明先生の作家的な寵愛を受けながらも、敏腕編集者の冷静なジャッジによってわずかな期間で表舞台を去ることとなったセル第二形態。しかし、その短い登場期間の中で彼が見せた暴力性、命乞いの醜態、狡猾な交渉術、そして自爆という究極の悪あがきは、ドラゴンボールという作品に類稀なる人間味と劇的な緊張感をもたらしました。
美しき完全体への単なる踏み台ではなく、鳥山明という天才漫画家の自由な感性と、90年代ジャンプを頂点へと押し上げた編集システムとの幸福な化学反応が生んだ奇跡の造形美。連載から数十年を経た今なお、立体物が高騰しファンの議論が尽きない事実こそが、この不遇な怪物が少年漫画史に遺した唯一無二の存在証明と言えるでしょう。 (出典: セル 第 二 形態(Yahoo!ニュース))